皆さん、台風のためにせっかくの旅行の予定をやむなくキャンセルした経験はありますでしょうか?空を飛ぶ飛行機にとって台風が生み出す暴風雨はやっかいな相手です。旅行の予定が近い日に台風がくるとなったら、いったいどうなるのか不安になりますよね。自分が乗る予定のフライトが欠航になるかどうかドキドキせずにいたい、少しでも可能性があるのならば乗りたい、そんな悩みを少しでも解決できればと思います。この記事では、台風で欠航になる確率、台風の条件付き運航で引き返す可能性、欠航になってしまった場合に航空会社がどこまで補償してくれるのかなどを詳しく解説します。ぜひ参考にしてください!
目次
台風で飛行機が欠航になる確率
台風のシーズンは7~10月で、そのなかでも8月と9月は本州に上陸する数が多くなり、9月頃になると日本付近を通りやすくなると言われています。つまり台風のハイシーズンは8~9月ということになります。次の表は国土交通省が4半期毎に発表している日本の航空会社の欠航率です。
「天候」のところ見てみるとANAやJALでは約2%、九州や沖縄路線が多い日本トランスオーシャン航空(JTA)やソラシドエア(SNJ)などは約3~7%と比較的高くなっています。このうちどれだけが台風によるものかははっきりと言えるものはありませんが、JTAが公表している"2024年7月運航実績"によると天候事由による欠航便42便のうち40便は台風3号の影響によるものとのことで、台風による欠航が95%を占めていることが分かります。
主要航空会社2社の台風による欠航
2024年8月28日から9月1日にかけて台風10号(サンサン)が西日本を縦断して空の便に大きな影響を与えました。台風が鹿児島県に上陸した8月29日には鹿児島・宮崎・熊本・長崎・大分などを離発着する便は全便欠航となり、8月31日までの3日間で九州・四国を離発着する便を中心に、ANAとJALの2社で国内線1,000便以上が欠航しました。
参照:"非常に強い台風10号 移動遅く長時間の大雨や暴風に厳重警戒 特別警報の可能性も" - ウェザーニューズ 2024年8月28日
台風による欠航の基準
だれもが気になる台風による欠航の基準ですが、残念ながらこれといった明確な基準は残念ながら存在しません。台風が飛行機の運航に及ぼす要因はさまざまあり、欠航させるかどうかの判断にどの航空会社も頭を悩ませています。そのなかでももっとも影響が大きいと言えるのが"風"です。上空1,500~3,000ft(約500~1,000m)になると地上にある建物や木々などの影響がなくなりさらに強い風が吹くようになりウィンドシアーを発生させます。とりわけ台風は風向・風速の変化が大きいため、この急激な風の変化、ウィンドシアーによってゴーアラウンド(着陸復行)する可能性があります。
そして最大のポイントは Cross wind(横風)です。台風は暴風雨を伴うため滑走路は雨でぬれた状態になります。この場合は滑走路が乾いた状態よりも横風の制限が厳しくなり、横風25kt(約12~13m/s)を超えると離着陸ができなくなってしまいます。
台風の中心付近または暴風域が空港を通過する場合、または横風の影響が大きいと考えられる場合は欠航になる確率は高くなるでしょう。台風は進行方向の右側の方が風が強いという性質があり、危険半円と呼ばれています。目的地の空港が台風の右側に入る可能性がある場合はより影響を受けやすくなると言えます。一方で、台風は上陸すると発達に必要な水分の補給が絶たれるため、徐々に勢力は弱まり衰退していきます。
近年ANAやJALは台風による欠航の判断が早く、2日前から前日までには欠航が決定しますが、就航の判断が難しく当日に欠航が決定をする場合もあります。最新の台風情報と航空会社の運航情報を確認するようにしましょう。
もし台風で欠航になってしまったら?
ANAを例に見ていきましょう。
- 欠航した場合
手数料なしで出発日の前日から翌日の3日間の別便への変更または払い戻しができます。 - 欠航は決まっていないが影響対象便になっている場合
欠航した場合と同様に手数料なしで出発日の前日から翌日の3日間の別便への変更または払い戻しができます。
ここでいくつか注意点があります。
- 振り替えは1回のみ。ただし、振り替え後の便が欠航となった場合は、再度便の振り替えが可能。
- 便の変更によって発生する追加の宿泊や地上交通での移動などの手配は自己手配、発生した費用は自己負担。
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参考【誰も教えてくれない】降りれる?降りれない?条件付き運航のひみつ
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航空会社によって対応は異なります。必ず自分が搭乗する便の航空会社のサイトで確認をしてください!
まとめ
今回は、台風で欠航になる確率、台風の条件付き運航で引き返す可能性、欠航になってしまった場合の航空会社の対応についてお話しました。台風の勢力が強く、接近が予想される場合には欠航となることも少なくありません。大事な旅行や仕事の予定を早めに考えて、せっかくの時間を無駄にしないためにも、ぜひ参考にしてみてください!